目次
主催:新潟県教育委委員会 生徒指導教員対象の研修
「生徒指導研修資料の活用について」
~生徒指導研修に活かす学校ファシリテーション講座~
ファシリテーション技術をどう活かすのか
ファシリテーション(英: Facilitation)は、会議やミーティングでの発言を促したり、話の流れを整理したり、言葉の定義や認識の一致を確認しながら進めるため合意形成や相互理解をサポートすることです。
ファシリテーション技術をもったファシリテーターが議論を活性化しつつ協働を促進させる役割を担います。
雑談や井戸端会議にファシリテーターはいません。
雑談は目的やテーマは特になく、話題があちこちに飛んだりして結論めいたものは必要ありませんし、話した内容について成果が求められることもありません。
また、一人だけずっと話している場合もあります。
むしろ、雑談や井戸端会議でファシリテーター的な振る舞いをすると「仕切っている」と思われ煙たがられることもあります。
会議には議長や司会が会議の進行役が必要です。
主に議長や司会者はあらかじめ設定された議事の内容(台本)に従って円滑かつ効率的に進めることが求められます。
では、議長や司会者にファシリテーション後術が必要かと問われれば答えは「Yse」です。
しかし、台本が用意されている会議においては特に必要ありません。
一方、研修やミーテイィングなどで意見を述べ議論することを目的としている場では議論を活発化させ実りある時間にするためにファシリテーション技術やコーチング技術を有するファシリテーターが必須です。
ファシリテーションの基本は3つ
- ◎ 研修中は他者の意見や考えを尊重し否定しない。
- ◎ 全員が意見を言える配慮のある組み立てにする。
(ストップウォッチやアラームを活用して時間管理する) - ◎ ブレーンストーミングの時間を確保し、視点を変え、思い込みに気づけるよう工夫する。
学校教育の現場におけるファシリテーターの3ステップ
組織内で行われるミーテイィングや開発プロジェクトに必要なファシリテーションの基本ステップは以下の4ステップ。
- 1. 目的や認識の共有(場のデザイン)
- 2. 意見を引き出し、受け止める
(問題解決を目指した意見交換) - 3. 意見のすり合わせ、選択と絞り込み(意見やアイディアの分類・整理)
- 4. 合意形成と実行プランの立案・共有(まとめ)
今回の主目的である教育委員会が作成して各学校に配布した生徒指導研修資料を使い学校内で行う研修で必要なステップについて以下の3ステップを提案しています。
- 目的や認識の共有(場のデザイン)
- 意見を引き出し、受け止める
(問題解決を目指した意見交換) - 共通認識の再確認と気づきや感想(まとめ)
ファシリテーション基本4ステップから3つめの「意見のすり合わせや選択絞り込み」を省略し、4のまとめでは実行プラン立案ではなく主に気づきや感想を重視します。
3ステップにした短縮した理由は、この研修の主目的は問題意識の醸成と問題解決に至るまでのプロセスを各教員がシュミレーションする機会を提供することにあるからです。
研修を担当する教員の選任について
研修担当の教員はできるだけ若い先生を選んでください。
その理由は「場」が弛むからです。
ファシリテーターが上司、管理職の場合は自然に場が緊張します。
どんなに笑顔でもやさしい方でも司会が上手い方でも、
上司の存在そのものが社会的パワーを有していることを知っておいてください。
研修は教員のための避難訓練
教員自身がファシリテーション技術を磨き、実のある研修をするということは避難訓練と同じです。
なぜなら、生徒の身に起こる事柄は予測不可能な部分が多いからです。
経験不足により事に遭遇したとき冷静な判断を欠き慌てたり、逆に足がすくんで動けなかったりする可能性があるのです。
たとえ勤続年数が長くても生徒の大事を経験することは稀です。
その経験不足を補うために事例による研修は必要です。
いざ問題が起った時に一人の教員が問題を抱え込むことを防ぎ、共通認識をもってチームで対応することで最悪の事態を回避し、大事に至る前に解決の方向に導くことができる体制作りができるようになっていなければなりません。
直接的な結果を求める研修ではなく話しやすさを優先させ経験値を上げることができる研修をすべての学校で実施してください。
生徒指導研修会がNHK新潟ニュースで放送!
新潟県教育委員会が中心となって生徒指導のあり方を考え、生徒指導研修資料が作成されました。
その資料を実際に教育現場で活用するための、生徒指導研修会の講師をドクターフキコが務めその模様がNHK新潟のニュースで放送されました。
新潟県全域から100人以上の生徒指導の先生方が集まり、実際に生徒たちと関わる時の配慮や事例検討など、具体的に体験していただきながら研修を行いました。
「生徒の尊い命を失わないために
私たちは彼らの心の声に真摯に対峙しなければなりません。
研修で実際に体験することで、タイミングを逃さず生徒に寄り添える先生方が増えて欲しいのです。」
との強い思いで講師を務めさせていただきました。
KKCのプロコーチもアシスタントを務めました。
Facebookより掲載